夕方ひとつの炎の火が消えた
その10分前に
長い電話を切ったばかりで
りおんにライン
ダンナには
電話して
やっぱり すぐ来てほしいんだって!
パパがあしたの朝には
自衛隊に戻らなければいけないらしく
娘とふたりでは
もしものとき
受け入れられず
パニックになり
葬儀の手配なんかぜったいできない
だから
みほねえさん
すぐに来てほしいんだって
家族三人でやるけん、あたしたちは見守る話しをしたばかりよ
頼ってくれてうれしい
ダンナは
もちろん、そうや!
そうしてやれ!
もしもの
ひにち、時間を
そろそろ考えないと
あたしだってドキドキする
保育園に着いたとき
電話が鳴った
ご主人からだった
とにかく 一緒に行くことになっている
りおんが帰るまで
1時間はある
鍋の支度をした
慌てないように
準備はしてるが
家のことだって
スーパーGIとパパに
まかせて安心だけど
通夜や葬儀、手続きの時間で
7人がどう動くかだけ
紙に書き出しはしたものの
よく読めずにいたのを
帰ってきたりおんに相談し
まいにち、泊まらずに
行ったり来たりすることにした
じぶんたちと
子どもたちにごはんを食べさせ
二人が帰ってきて
とにかく
いまから
行ってくる
あれ、あした日曜やで
お父さんが運転してくれて
よかったとにー
すでに 焼酎を呑んでいる
気をつけて行ってこいよ
あした、全員で行くぜ!
鬼の居ぬ間に洗濯する顔で
りおんとふたりを
送り出してくれた
北九州にはいり
コンビニで水を買い
もう葬儀場かと 電話した
まだ
病院にいるという
ゼロにイキナリなったのが
機械の故障じゃないのか
学生みたいな研修医が
ドラマでみた 5時36分ご臨終ですなんて
言われても
信じられん
何かの間違いで生きとったら
どうするの!
主治医じゃないと信じられんと
あたりまくって
今は、悪かったと思うけど
腹が立って腹が立って
感情むきだしで
取り乱してしまって
主治医がきて
説明してくれ
いま、やっと
怒ったらおなかがすいて
コンビニでおにぎり買って三人で食べてます
だから
あたしとりおんも
病院からお見送りを
先生、看護師さんたちが
深々とお辞儀をして送りだすのを
みて
すぐ近くの斎場へ移動した
ご主人が
うちのより
りおんちゃんの方がしっかりしていますと
りおんが
病院でここまで手厚く
キレイにしてくれて
びっくりしました
ほんとうに
ありがとうございますと
お礼を言うのをみて言った
22歳の孫娘は
さっきまでパニックのママを心配していたらしいけど パパもいてくれて安心したのか
それからはじまる
今後の長い打ち合わせのあいだ
肩を振るわせ泣き続けた
親戚も身内も
このメンバーにカラダの悪い
ばあちゃんの
お兄さんがひとりいるだけらしく
ばあちゃんのエンディングノートどおり
花も香典も無し
知らせる人も最小限で
しずかに見送る
スタンスに
すると
葬儀場の人に告げていた
友引で火葬場がやすみらしく
日曜日は通夜をせずに
月曜日通夜の火曜日葬儀火葬となった
あら、日曜日なら
全員で通夜に来るはずだったが
密葬だから
通夜もはやい時間にされたから
GIとパパは
仕事だから
子どもたちとりおんとで
やり、葬儀は
保育園のあいだに
りおんとあたし
日曜日、今日
全員でお参りと
みんなで
ちょっとまともな食事をして
悲しみを和らげることになった
日曜日だから
お父さんがみんなとくれば
斎場に泊まりもできたけど
かなり疲れてカラダの悪い妹は
葬儀場では眠ることができないと
パパがひとり
この三晩
仏さんをひとりにできないと
泊まってくれるらしい
パパもあしたなら帰らなくてはいけなかったけれど
そのまえに亡くなったから
いまから一週間はやすみがとれ
手続きができるそうだ
そういう段取りをして
家まで送り届け
帰り着いたのは
深夜1時を回っていた
じぶんたちだけで
ばあちゃんの見送り
いっぱい泣いて
いっぱいさいごのときを
過ごせるねと
別れのときを
計算したように
つくってくれた
さいごまで
あと残されたものが
あわてないような
気の使いぶりはみごとです
今日みんなでいきます
365日
BAの絵手紙🌟歳時記
11月14日
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