金盞香(きんせんかさく)

金盞香(きんせんかさく)

もう水仙のきせつなんだ
ばあちゃんがお正月に
玄関に活けていた気がする

ゆらゆらゆらと
煙の黒をみあげて
ほら ばあちゃんが
焼けて天に昇っているよ


らんちゃんの絵と
あおちゃんの絵が
たくさんのお花といっしょだけん
ばあちゃん さみしくないね

うんっ
らんちゃんの絵がおばあちゃんの手をつないで
お空にのぼっていってるね!

あおちゃんのハートも
おばあちゃんと 手ーつなぐー

バイバーイ

葬儀が終わり
喪主のつぎに
位牌をりおん
写真をあたしがもち
あいさつをして
出棺

アルファードの
ふっわふわシートの
霊柩車
生まれてはじめて
霊柩車に乗る

娘は足が悪く
マイクロバスで向かう

おばあちゃんの
お兄さん夫妻もからだが悪いので
葬儀だけ駆けつけた

火葬の時間で
食べるように
カイトが握ったデカい塩むすびと
りおんの卵焼き
精進料理は横切るが
あたしはから揚げ
つけものと
らんちゃんあおちゃんの
存在にみな
目を細め
いちどう しあわせなムードさえ
たちこめた

おばあちゃん居なくなったねー
と 娘が肩をおとすも
祭壇みて
いるよ!おばあちゃん!
と あおちゃんが言うから

うんうん
そうだねー

ちいさいふたりは
なんで 人を焼くの?と
あたしに聞いたから

BAのじいちゃんと
ばあちゃんみたいに
墓まいり行ったとき
白いツボのなかに
骨が入ってたやろー

カラダははいらんし
腐ってしまう
くさると臭いやろ
だから キレイに焼いて
骨だけにして
ずっとお参りできるようによ

納得したみたいで
熱いねーとは
言ったけれど

おばあちゃんが骨になり
オトナたちが 箸で
準備に 足から
ツボへ移す儀式を
じっと見た

ばあちゃんが
あたしの父親が死んだあと
墓を買ったと言っていたが
どこにあるの

墓まいりに行こう

なぜかわからないが
日田にあると言う

日田ならうちから
すぐやん

まだ 岐阜に居たときのはなしだけれど
残された 娘家族を
おねがいねって
言わんばかりに

ばあちゃんは
先を見通しとったみたいに
不思議な流れとなった

斎場の美人チーフが
あら
れいくんはどうしたの

いやー大変だから
保育園です

え〜っ
わたし好きなのにー
って話すくらい
子どもたちの存在は
みなの気持ちを前向きにするんだと
ありがたかった

家で寝る前に
どうだったか聞くあたしに
GIが
かなり衝撃的だったと思うぜ
この体験はよかったけど
夜きくな

あ、そうね
ごめん

親族がいない葬儀だったから
あたしたちが
二番手の葬儀の儀式に
これって うちのダンナもこんといかん
だったよねーと
チラチラ思いながら
霊柩車にのり
骨をひらって
こりゃ来るべき日だったよと
言うと

オレも聞いて
そう思った!

ま、これから先
血がつながっていないけれど
あの3人をたのむよ、って
ばあちゃんが言いよるとだろうけん
みんなで 話しをした

さあ
あたらしい朝がはじまる





365日
BAの絵手紙🌟歳時記

11月17日

BA’z LIFE

絵手紙でつづる大切な日の記録

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